あなたは法務部で仕事をしてみたいですか?
「興味はあるけど、法務って難しそうだし、資格も必要なんでしょ?」と思う方もいるかもしれません。
実際のところはどうなのでしょうか?
この記事では、企業の法務部の仕事に資格が必要なのかや、どのような資格があると良いのかについて、現役の法務部員である筆者が述べてみたいと思います。
企業の法務部の仕事に資格は必要?
企業の法務部で仕事するために、何か資格が必要であるとは限りません。
私自身、新卒で入社した会社で、何も資格を持たないまま法務部に配属になりましたからね。
このため、企業の法務部に入るために何か資格が絶対に必要というわけでは無いと思います。
企業によっては、法務部には弁護士資格を持っている人だけ配属する(中途採用する)というところもあるとは思いますが、少なくとも私が勤める会社(東証一部上場企業)では、経済学部を卒業して法律なんか何も知らなかった私を法務部に配属しましたね。
企業の法務部の仕事に必要な資格とは?
企業の法務部で働くにあたり、持っていた方が良いと思う資格についても述べておきたいと思います。
弁護士
まずは何といっても弁護士資格ですね。
契約のチェックを行うにしろ、訴訟対応をするにしろ、法律の解釈がきちんとできる弁護士は重宝されると思います。
余談ですが、企業によっては、自社で弁護士を雇わずに、必要になった時に法律事務所に相談するというところもあると思います。
その場合、気を付けておきたいのは、法律事務所(弁護士)によって「得意分野」があるということです。
債権回収に強い法律事務所や、M&Aに強い法律事務所、あるいは特許権に関係する紛争に強い法律事務所など、いろいろと「得意分野」が違っていたりするので、様々な法律事務所とのコネクションを持った方が良いです。
国内のみならず、海外との取引もある企業であれば、日本法の弁護士資格のみならず、外国法の弁護士資格もあった方が良いでしょう。
とはいえ、相当ハードルが高いので、現実には「外国法の弁護士資格を持つ人を中途採用する」といった方法でこのような人材が採用されているんでしょうね。
つまり、外国法の弁護士資格を無理して取る必要は無いと思います。
弁理士
弁理士の資格も有った方が良いでしょう。
特許権を取り扱う資格ですね。
銀行や商社などの製品を製造していない企業であれば、もしかしたら重宝されないかもしれませんが、メーカーであれば必要とされる存在だと思います。
企業によっては、特許権などの知的財産権は、法務部とは別に知的財産部が取り扱っている場合もあると思います。
その場合には、弁理士資格は「法務部で働くための資格」というよりは「知的財産部で働くための資格」といえるかもしれません。
司法書士
司法書士の資格も良いですね!
会社や土地の登記などで活躍するのが司法書士です。
正直、私が働いている会社では、登記に関する仕事は司法書士事務所にお願いしてしまうのですが、この資格を持っている人が社内にいれば、社内で完結させてしまうかもしれません。
資格ではないけど法務部員の仕事に役立つもの
ここからはオフィシャルな資格ではないけれど、法務部の仕事に関連する検定をご紹介したいと思います。
ビジネス実務法務検定
商工会議所が行っているビジネス実務法務検定というものがあります。
こちらは法律知識全般に関するものです。
1級~3級まであり、3級は比較的簡単なうえに、「契約書の訂正印の押し方」など実務的な知識が得られるので、一度トライしてみても良いかもしれません。
ちなみに、私自身はビジネス実務法務検定の2級まで取得しています。
ビジネス実務法務検定に関する商工会議所のホームページはこちらからどうぞ。
ビジネスコンプライアンス検定
調べてみたらビジネスコンプライアンス検定というものも有りました!
昨今、コンプライアンスの重要性はますます増していますし、この検定で勉強すれば、企業の内部統制に関する部署での仕事に役立つかもしれません。
まとめ
企業の法務部の仕事に資格は必要なのかや、どのような資格があるのかについて、述べてみました。
(正直、資格の有無と「仕事での優秀さ」は別物だとは思うんですけどね・・・)
もしこの記事があなたにとって少しでも役に立ったのなら幸いです。
[あわせて読みたい]
・企業の法務部はエリートしかいない?現役の法務部員が解説!
・英語の契約書はどう読めばいい?読み方を簡単に!
・企業の法務部の仕事はきつい?現役の法務部員が実感を述べます
コメント