あなたは、企業の法務部の仕事について、どんなイメージがありますか?
もしかしたら、「バックオフィスの仕事で外出が無いから楽そう」なんて思ったりするかもしれませんね。
そこで、法務部の仕事が楽なのかについて、現役の法務部員である筆者がお答えしたいと思います。
法務部の仕事って楽ですか?
法務部の仕事は、楽ではないです。
少なくとも、私が企業の法務部員として働いてきた経験の中では、「大変だ」「つらい」「きつい」と思うことはあっても、楽だと思ったことは無いです。
理由の1つとしては、法務の仕事は「ルーティーンワーク」がほとんど無いということが挙げられると思います。
契約をチェックするにしても、相手や契約内容、目指すビジネス(目標)などが全く同じということは無いですし、訴訟対応も「別件の訴訟と同じように対応しておけばOK」なんてことは有り得ないわけです。
つまり、ほとんどの仕事が「初見」「初体験」といえるような状態で対応する必要があり、そのために勉強したり調べたりしなければならない事項がたくさん有るんですね。
決まり切ったルーティーンワークであれば、作業の効率化をしたりして、「仕事を楽にする」工夫もできるんでしょうが、法務の仕事だとそれは難しいです・・・
そんな「初見」の仕事をやるわけですから、「悩み」や「判断する際の迷い」も尽きることがありません。
しかも、急に短納期の仕事が発生したりするので、法務の仕事は、精神的な負荷が大きいものだといえるでしょう。
法務の仕事の辛さについては、こちらの記事でも解説しています。
法務部の仕事は何がつらい?現役の法務部員がぶっちゃけます
法務部の仕事で楽だと思える点を強いて言えば
ここからは、法務の仕事について、「強いて言うならば」という形で、楽だと思えるポイントを挙げてみたいと思います。
法務の仕事で楽といえるポイントは次の3点じゃないでしょうか。
- 外出が少ない
- 社外の人と関わる場面が少ない
- 接待をしなくていい
順を追って見ていきましょう。
【楽ポイント1】外出が少ない
1つ目のポイントは、外出が少ないということです。
法務部員が外出するとすれば、弁護士と相談するために法律事務所に行くとか、訴訟対応のために裁判所に行くとかの場合でしょう。
営業職の人が取引先を訪問するのに比べれば、おそらく法務の外出の頻度は少ないので、その点は楽ですね。
夏のうだるような暑い日も、冬の凍える寒さの日も、快適なオフィスで仕事ができるのは役得といえるのかもしれません。
【楽ポイント2】社外の人と関わる場面が少ない
2つ目のポイントは、社外の人と関わる場面が少ないということです。
法務部員が社外の人と会うとすれば、顧問弁護士事務所の弁護士や、あるいは司法書士などではないでしょうか。
そして、そういった人たちと会ったり、話したりする場面は(営業職の人が取引先と関わるのに比べれば)さほど多くないと思います。
なので、ほとんど関わる人が社内の方ばかりになるので、そういった意味で「気をつかう場面」が少ないのは楽ですね。
もちろん、社内の人に対しても気をつかって接する必要は有るんですけどね。
上記で説明した「外出が少ない」「社外の人と関わる場面が少ない」というポイントは、企業によっては違うかもしれません。
企業によっては、「法務部員が取引先に乗り込んでいって契約交渉をやる」ということをバンバンやっている場合もあると思います。
その場合は、上記の説明は当てはまらないことになりますので、ご留意ください。
【楽ポイント3】接待をしなくていい
3つ目のポイントは、接待をしなくていいということです。
最近はコロナのせいで会食をする場面が減ったと思いますが、通常時であれば、営業職の人が顧客を接待することも多いでしょう。
必死で顧客の話を聞いて、場を盛り上げ、あるいはお酒をたくさん飲んで、場合によっては一発芸をやったりする人もいるかもしれませんね。
しかし、法務部員はそんなことをする必要はありません。
法務部員が社外の人と会食するとすれば、弁護士などになるかと思いますが、法務部員の方がクライアントの立場になります。
つまり、法務部員の方が「お金を支払っている顧客」の立場になるわけなので、わざわざ接待をする必要が無いのです。
(むしろ、弁護士から接待をされる側の立場になるわけです。)
と言いつつ、色んな案件で弁護士にお世話になっていたり、無理なお願いをしていたりするので、実際には、会食の場では「気をつかって接する」ことになったりするんですけどね・・・
まとめ
法務部の仕事が楽なのかについて、述べてみました。
楽と思えるポイントも無いわけではないですが、基本的には「つらい」「きつい」といえる仕事だと思います。
もしこの記事があなたにとって少しでも役に立ったのなら幸いです。
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