あなたは企業の法務部に転職したいですか?
あるいは、今は法務の仕事をしているけど、別の仕事に転職したいと考えていますか?
でも、「転職は難しいのでは?」と思うかもしれませんね。
そこで、転職活動の経験がある現役の法務部員の筆者が「法務の転職は難しいのか」について述べてみたいと思います。
法務の転職は難しいですか?
一言で「法務の転職」と言っても、「法務職に転職する」のか、「法務職から転職するのか」で話が変わってくると思います。
なので、場合分けをして、それぞれのケースを考えてみたいと思います。
法務への転職は難しい?
まずは「法務職に転職する」ことについて考えてみます。
正直、これは法務職としての経験が有るか無いかで難しさが変わると思います。
経験があるなら法務への転職は難しくない
もし、あなたが法務職として働いた経験が有るのならば、同じ法務職への転職は難しくないと思います。
なぜなら、多くの日本企業においては「法務職が足りていない」と思われるからです。
あなたは、自社の法務部に契約書のチェックを依頼したらメチャクチャ待たされた経験は無いですか?
あるいは、取引先に契約書を提示してみたら、「法務が立て込んでいるので確認に時間がかかります」なんて言われたことは無いですか?
どこもかしこも法務部員が足りていないというのが実情なんだと思います・・・
余談ですが、それなりの規模と歴史を誇る企業であっても「法務部」が無く、総務の人が法務業務を兼任していたりすることもあるようです。
そんな話を聞くたびに「法務人材って足りないんだな」と感じます。
英文契約書をチェックできるなら法務職への転職は簡単
英文契約書のチェックや作成ができる人ならば、法務職への転職は「引く手あまた」だと思います。
特に、最近は海外企業との取引を行う日本企業が増え、英文契約書のチェックや作成ができる人材が欲されています。
ですが、このスキルを持った人はなかなかおらず、足りていないのが日本社会の現実なんだろうと思います。
私自身も転職活動をしたことがあるのですが、「英文契約書をチェックできます」と言ったところ、転職エージェントから数え切れないほどの求人票をもらって驚いた記憶が有ります(笑)。
上記をまとめると、法務職の経験が有る人は、法務職への転職は難しくないでしょう。
そして、英文契約書をチェックできる(その業務経験がある)人は、法務職への転職は「引く手あまた」だと思います。
未経験だと法務への転職は難しいかも
法務職として働いた経験が無い人が「法務職に転職する」ことは、正直、難しいと思います。
転職者を受け入れる側、つまり、中途採用をする側は「即戦力」が欲しくて中途採用をするわけです。
それにもかかわらず、未経験の人を採用して、一から育てるということは、まずしないでしょう。
上記でも述べましたが、多くの日本企業にとって、法務部は人が足りていないと思います。
ということは、めちゃくちゃ忙しいっていうことですね。
そして、その人材不足を補うためにわざわざ中途採用しているのに、「育てる手間」が必要になる未経験者を受け入れるなんてことは考えにくいです。
未経験者を法務部員として育てようとすると、かなりの手間と長い期間をかけて育成する必要が有ります。
人手が足りていない法務部にとっては、そんな未経験者を受け入れることは「本末転倒」の結果につながりますし、あるいは「そもそも指導する余裕すらない」という状況なのかもしれません。
上記のように考えると、未経験者を採用するぐらいなら、少しぐらいコストがかかっても、弁護士を採用したり、あるいは弁護士事務所を起用したりする方が(企業にとっては)良いように思います。
法務からの転職は難しい?
次は、法務職からの転職について考えてみます。
法務職から同じ法務職への転職は、上記の通り、難しくないと思います。
その一方で、法務職から別の職種への転職は、ケースバイケースではないでしょうか。
今までに経験してきた業務や、修得したスキル、目指す職種によって難易度が変わると思います。
法務職から別の仕事に転職するのであれば、コンプライアンスや内部統制といったものを扱う仕事や、コンサルタントといったものが考えられそうですね。
法務経験者にとっての転職の「武器」となるスキル
ちなみに、法務職を経験した人が転職活動をする際に「武器」となりうるスキルは、次のようなものが有ると思います。
- 契約書(長文の文章)を読む力
- 法律知識
- 文章力
- 論理的な思考力
- 英文契約書をチェックしていた人ならば、英文を読み書きする力
履歴書などに「実績」として書くのが難しいものも有りますが、こういった力もアピールできると良いですね。
企業の法務部に転職するにはどうする?
企業の法務に転職したいのであれば、まずは転職サービスに登録するのが良いのではないでしょうか。
転職エージェントと直接話しながら、目指すキャリアについて相談してみると、自分に対する「新しい発見」があるかもしれませんよ。
私自身の経験でいえば、転職エージェントと話すことによって、「自分はこんなこともできるんだ」「企業に求められるスキルをこんなに持っているんだ」と発見することができ、自信につながりました。
(結局、いろいろ考えた末、転職は実行しなかったですが・・・)
まとめ
法務の転職の難しさについて述べてみました。
法務職から法務職への転職については難しくないと思うので、ある程度の経験をした後に「待遇が良い企業への転職」をチャレンジしてみるのもアリかもしれませんね。
この記事があなたにとって少しでも役に立ったのなら幸いです。
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